【フォーマット付】要員計画とは?立て方と作成手順・ポイントを解説

doda人事ジャーナル編集部
要員計画とは、企業が事業を進めるにあたって必要な人数や配置を整理する計画のことです。要員計画を策定することで人材採用や育成、人員配置を的確に行えるようになります。
この記事で要員計画の基本を理解した上で、実際の作成にはフォーマットを活用すると整理しやすくなります。
自社の人員数や配置を確認しながら検討したい方は、要員計画計算フォーマットを資料ダウンロードしてご活用ください。
要員計画とは
企業が人材の採用から配置・育成までを計画する上で、具体的な目標設定の土台となるものが「要員計画」です。要員計画の作成では、単に「何人採用するか」だけでなく、既存社員の配置転換や異動、育成、外部委託の活用といった点も含めて検討します。
そのため、人事部門だけでなく、経営層や各部署の責任者が、将来の組織体制を考える際の判断材料として活用する重要なものです。
以下で、要員計画の目的や企業で重要となる理由をより詳しく解説します。
要員計画の目的
要員計画の大きな目的は、事業計画の遂行にあります。その上で、より細かな視点で見ていくと、「採用計画の合理化」「人員の適材適所の実現」「中長期的な人材育成」という3つに分けて考えることが可能です。
要員計画が明確であれば、採用に関する方針が統一され、合理的な採用計画を立てられるようになります。
また、必要な人材の要件が明らかになっていれば、適切な人員配置・人材育成が可能となり、社内の人的リソースを最大限に活用できるようになります。
このように、人事に関わるさまざまな領域において、要員計画は重要な役割を果たす土台であることがわかります。
要員計画が人事戦略で重要な理由
要員計画は、採用・配置・育成・人件費管理を進める上での土台となるものです。事業計画に対して「どのような人材が、どの部署に、いつまでに、何人必要なのか」を明確にすることで、人事戦略を現実的に設計しやすくなります。
例えば、新規事業の立ち上げを予定している場合、営業職を増やすだけでは十分ではありません。商品開発を担う人材、運用を支える人材、顧客対応を行う人材など、事業を成立させるために必要な役割をあらかじめ整理しておく必要があります。
要員計画の目的は、このように事業の実行に必要な人材要件を具体化し、必要な準備を計画的に進められる状態をつくることにあります。その上で要員計画が重要なのは、人材の過不足や配置のミスマッチが、そのまま事業運営の停滞やコスト増加につながるためです。
必要以上に人員を増やすと人件費が膨らみ、反対に必要な人材が不足すれば、業務負荷の増加や事業計画の遅れにつながる可能性があります。
また、採用した人材を適切に配置・育成できなければ、十分な成果を発揮してもらうことも難しくなります。要員計画によって必要な人材・人数・時期を整理しておくことで、採用活動や人員配置、育成方針、人件費の管理を一貫して進めやすくなります。
そのため、要員計画は質の高い人事戦略を実行するために欠かせない重要な計画といえます。
要員計画と人員計画・採用計画との違い
要員計画と人員計画・採用計画は同じような意味で用いられることも多いですが、シーンに応じて使い分けられるケースもあります。
【要員計画と人員計画・採用計画との違い】
| 要員計画 | 人員計画 | 採用計画 |
|---|---|---|
| 事業計画に基づいて「いつまでに、どの部署に、どのくらいの人数を配置するか」という人材の「量」を大まかに示す計画 | 要員計画で定めた人数を、「どのような人材を求めるか」といった人材の「質」に落とし込む計画 | 要員計画と人員計画を踏まえ、採用要件や採用人数、選考方法などを具体的に定める、採用活動に特化した計画 |
なお、要員計画と人員計画は同じ意味で使われることもありますが、本記事では、要員計画を事業計画に基づく人材需要全体の計画、人員計画を具体的な配置やスキル要件を整理する計画として区別します。
人員計画と採用計画の詳細は、以下で解説します。
人員計画とは
人員計画は、要員計画で明らかにした人員数を前提に、部署ごとに必要な人材のスキルや配置先を具体化するための計画です。各部署での適材適所を実現するために、最適な配置を検討します。
要員計画は、事業計画に基づいて「どの部署に何人配置するか」という「量」に焦点を当てるのに対して、人員計画は人材の「質」に焦点を当てて使われる点が主な違いです。
採用計画とは
採用計画は、要員計画と人員計画を踏まえて、採用活動に必要な期間や採用要件、スケジュールなどを定める計画です。
要員計画を起点にして、人員計画や採用計画を設計する構造となっています。これら3つの計画を連動させることで、効率的かつ戦略的な採用活動が可能となるでしょう。
要員計画を立てるメリット

要員計画を立てるメリット
要員計画を立てることで、企業の人事業務にはどのようなメリットが生まれるのでしょうか。
ここでは、以下のポイントに分けてご紹介します。
●人材課題が明確になり業務効率化につながる
●中長期的な人材育成・能力開発に役立つ
●人件費を最適化しやすくなる
人材課題が明確になり業務効率化につながる
効率的な人員配置によって、業務効率化や生産性の向上につながることも要員計画を立てるメリットです。要員計画が明らかになっていれば、自社の人材に関する課題を見つけやすくなります。
例えば、欠員によって手薄になってしまう部署や将来的な成長が見込める分野があれば、早い段階で人材の採用に着手できるようになるでしょう。
その結果、適切な人員配置が実現され、組織全体の生産性が高まっていきます。
中長期的な人材育成・能力開発に役立つ
企業の組織を発展させていくためには、中長期的な視点に立った人材育成や能力開発が欠かせません。人を育て、組織に必要なスキルを計画的に高めていくためには、場当たり的な短期計画ではなく、数年単位での長期的なプランが必要です。
綿密な要員計画が策定されていれば、それに基づいて育成プランや能力開発の方針を立てられるため、継続的な取り組みを実行しやすくなります。
人材開発や育成にどれだけの費用や時間をかけられるのか、どの分野の人材を重点的に育てる必要があるのかが明らかになるので、効果的な育成戦略を立てられます。
人材開発の進め方について詳しく知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しています。
(参考:『人材開発とは?人材育成との違いや具体的な手法、推進のポイントを解説』)
人件費を最適化しやすくなる
要員計画を適切に策定することで、企業全体の人件費の最適化が望めます。必要な人員数や配置を事前に把握できるため、過剰な採用や人員不足を防ぎながら、組織運営に必要なコストを適切に管理しやすくなるためです。
中でも、既存社員を適材適所に配置しつつ育成できれば、即戦力となる人材を高額な費用をかけて外部から雇い入れる必要がなくなる可能性があります。社内で育成すると、即戦力の人材を採用するよりも費用を抑えられるため、中長期的に見ると人件費の見通しや適正管理が期待できるのです。
また、中長期的な事業計画と連動して要員計画を立てられると、採用費や教育費、人件費の増減を見通しやすくなります。どの部署にどの程度の人材が必要なのかを明確化できるため、無駄なコストを抑えつつ、必要な分野には適切に投資できる体制を整備できるでしょう。
採用コストの考え方について詳しく知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しています。
(参考:『採用コストの平均相場は?コスト削減の施策や計算方法を解説』)
要員計画を立てる2つの方法
要員計画を立てる際の方法は、「トップダウン方式」と「ボトムアップ方式」の大きく2種類に分けられます。
全社的な経営戦略や人件費の最適化を重視して迅速に計画を進めたい場合は「トップダウン方式」、現場の業務量や必要スキルを細かく反映し、実態に即した計画を立てたい場合は「ボトムアップ方式」を選ぶと良いでしょう。
ここでは、それぞれの算出方法について解説します。
トップダウン方式で必要人員を算出する
トップダウン方式とはマクロ的算定方式とも呼ばれ、経営計画や利益計画といった企業の目標から適正な要員数を算出する方法です。
トップダウン方式では、経営計画や売上目標といった大枠から必要な人員を算出します。具体的には、「労働分配率から算出する方法」と「損益分岐点から算出する方法」の2つがよく使われます。
トップダウン方式は予算と利益の面から計算する方法であるため、数字に基づいた客観性や妥当性が担保される点が特徴です。一方、現場の需要については加味されないため、トップダウン方式を用いる際には現場の声にもしっかりと耳を傾ける必要があります。
労働分配率から算出する方法
労働分配率とは、売上や付加価値に対する人件費の割合のことです。この労働分配率を基に必要な人員数を計算する際は、以下の計算式となります。
(年間売上高×付加価値率×労働分配率)÷1人当たりの平均人件費
損益分岐点から算出する方法
損益分岐点から算出する場合は、利益計算を基に、人件費として出せる総額を逆算しその範囲内で必要な人員数を導き出します。
(売上高-変動費-固定費(人件費以外)-目標利益)÷1人当たりの平均人件費
ボトムアップ方式で必要人員を算出する
ボトムアップ方式とはミクロ的算定方式とも呼ばれ、各部署の「業務量」を積み上げながら総業務量を計算し、必要な人員を計算していく方法です。
各部署あるいはプロジェクトチーム、各事業所、全社という順番で必要な人員を積み上げ、最終的に何人必要なのかを明らかにします。
ボトムアップ方式では、各業務に必要な工数を洗い出し、従業員1人当たりの標準労働量で割ると、必要人員を計算できます。
総業務量÷(従業員1人当たりの標準業務量×所定労働時間)
ボトムアップ方式を用いると、現場の需要をそのまま反映させられるため、現実性の高い要員計画を立てられる点がメリットです。
一方で、人件費の予算オーバーにつながる可能性もあるため、費用面には細心の注意を払う必要があります。
要員計画の妥当性を確認する分析方法
要員計画を作成する際は、その内容が妥当かどうかを客観的な指標で分析することが重要です。
【要員計画の妥当性を確認する分析方法】
●人件費から要員数を分析する方法
●1人当たりの生産性から要員数を分析する方法
ここではその分析方法を2つ紹介します。
人件費から要員数を分析する方法
人件費から分析すると、想定以上の人件費がかかっていないか、無駄な費用が生じていないかを可視化できます。人件費が高過ぎると収益を圧迫する可能性があり、逆に低すぎると必要な人員を採用できずに企業の成長を妨げるリスクがあります。
人件費から分析する際は、以下の計算式で求めます。
売上高または粗利などの利益÷人件費
例えば、売上高1億円、人件費1000万円だった場合は、「1億円÷1000万円=10.0倍」となります。この数値が大きいほど少ない人件費で高い売上を出していることとなり、効率的な経営ができているといえます。
1人当たりの生産性から要員数を分析する方法
従業員1人当たりの生産性から分析する方法では、従業員一人ひとりがどの程度の付加価値や利益を生み出しているのかを測れます。
1人当たりの生産性は以下の計算式で求められます。
売上高や粗利など÷人数
例として、売上高1億円、従業員数100人であった場合は、「1億円÷100人=100万円」となり、従業員1人当たり100万円の売上を生み出していることがわかります。
これも算出できた数値が高いほど、従業員1人当たりが効率的に売上を上げていることを意味します。ただし、生産性が高くなり過ぎている場合、過剰に残業している可能性がある点に注意してください。
反対に生産性が低い場合は、適切な配置ができていないことが原因として考えられるため、適材適所の人員配置を見直すきっかけになるでしょう。
要員計画の立て方と作成手順【フォーマット付】

要員計画を作成する際には、さまざまなデータや数値を抜け漏れなく反映させていく必要があります。そのため、要員計画のテンプレートに沿って作成を進めていくと良いでしょう。
ここでは、以下の7つのステップに分けて、要員計画の立て方と流れをご紹介します。
【要員計画の立て方と作成手順】
STEP1.人事・採用担当による現状把握
STEP2.経営計画・事業計画から必要人員を確認
STEP3.各部署の要員をヒアリングする
STEP4.適正値の検証とギャップの調整
STEP5.採用・異動・外部委託など充足方法を決める
STEP6.採用計画の立案・適正性の確認
STEP7.決裁者の承認を得て要員計画を決定
ここまで要員計画の作成手順を確認した上で、実際に自社の採用人数や人材配置を整理する際には、フォーマットを活用すると抜け漏れを防ぎやすくなります。
自社の採用計画や人材配置を整理したい方は、以下の要員計画計算フォーマットを資料ダウンロードしてご活用ください。
STEP1.人事・採用担当による現状把握
要員計画を立てる際は、まず人事・採用担当者が中心となり、社内の現状を把握する必要があります。現状把握のために、以下の項目を分析しましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年度末在籍人数 | 各部署の従業員の増減を考慮して算出された、年度末に在籍予定の従業員の人数 |
| 年度当初在籍人数 | 年度初めの時点で、各部署に在籍している従業員の人数 |
| 年度減員分 | 今年度中に減る見込みの従業員の人数 |
| 年度増員分 | 今年度中に増える見込みの従業員の人数 |
要員計画を立てる場合は、まずこれらの項目を分析し、現状を具体的に把握することが大切です。その上で、以下のデータも集計しておくと、よりスムーズに計画を立てられるでしょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 労働生産性 | ●従業員が生み出す付加価値を、労働投入量で割ったもの ●簡易的に「今年度の売上見込み÷人員数」で確認する場合もある |
| 直間比率 | ●直接利益を出す従業員と、間接的に利益をもたらす従業員の比率(直接利益を出す人材が70~90%程度に収まると理想) ●人数比率:間接部署の人数÷会社全体の人数 ●人件費比率:間接部署の人件費÷会社全体の人件費 |
| 求人倍率 | ●採用市場での人材の採用難易度を示すもの ●厚生労働省などが公表する統計データで確認できる |
これらのデータを集めた上で、整理しながら計画を立てていきましょう。
STEP2.経営計画・事業計画から必要人員を確認
続いて、経営計画や事業計画に基づいて、必要となる人材像を調査します。これには、前述した「トップダウン方式」あるいは「ボトムアップ方式」を使って必要となる人員の数を割り出してみましょう。
それぞれの調査項目の例は以下のとおりです。
| トップダウン方式の調査項目 | ボトムアップ方式の調査項目 |
|---|---|
| ●事業計画や目標 ●人件費予算 ●組織構造 |
●現状の業務量 ●将来の業務計画 ●減員・増員の必要性 |
要員計画を立てるにあたっては、どの部署にどのような人材が必要になるのかを予測することが重要です。事業計画や現場の状況を照らし合わせた結果、人事異動が必要になるケースもあります。
STEP3.各部署の要員をヒアリングする
ここまでで明らかになった各部署の現状と理想の差を比較して、必要な人員を整理します。ボトムアップ方式で要員計画を立てる際には、現場の声を聞くことが重要です。
人事・採用担当者による現状把握が終わったら、次に社内の各部署に対して、必要な人員に関する「ニーズ調査」を行いましょう。
課長・部長といった各部署の責任者にヒアリングし、「現場の人員に過不足がないか」「いつまでに何人配置する必要があるのか」「どういったスキル・経験を持つ人材を必要としているか」などを確認します。
このときには、次のような項目を基に具体的なニーズを探っていくと良いでしょう。
【ニーズ調査のアプローチ例】
●従業員の退職・異動などに伴う欠員補充としてのニーズ
●担当業務の拡大による負荷を軽減するためのニーズ
●難易度が高く専門的なプロジェクトを進めるための専門性の高い人材のニーズ
これらの情報に基づいて、各部署の要員を整理します。
STEP4.適正値の検証とギャップの調整
ボトムアップ方式とトップダウン方式で算出された要員要望数の間には、多少なりともギャップが生じるものです。
そのため、「労働生産性」や「直間比率」から要員要望数が適正かを判断し、ギャップを調整する必要があります。
労働生産性は、従業員が生み出す付加価値を労働投入量で割ったものです。要員計画を策定する際には、「今年度の売上見込み」から原材料費や外注費などを差し引き、「人員数」で割ったものを「労働生産性」として検討すると良いでしょう。
また直間比率は、営業や生産といった直接的に利益を生み出す「直接部門」と、そのサポートを担う経理や総務といった「間接部門」の比率を意味します。
扱っている商品・サービスの種類や企業規模などによって理想とされる比率は異なりますが、一つの目安として、全従業員に占める直接部門の従業員の割合が「70~90%」くらいになっているかどうかを確認することが望ましいでしょう。
STEP5.採用・異動・外部委託など充足方法を決める
各部署の要員を把握したあとには、不足している人材の充足方法を決める必要があります。
まずは、社内のリソースを活用して、業務効率化や異動などで体制を整えることを検討しましょう。その上で社内リソースでも不足する場合には、採用や外部リソースなどで人員を調整します。異動と比べると、採用には時間や費用がかかる傾向にあります。
そのため、「何人を採用するのか」は、要員計画を策定する上での重要な要素の一つとされています。各部署の「年度減員分」「年度増員分」の内訳や「要員要望数」などを基に、採用数を割り出しましょう。
採用活動にかかる費用や教育にかかる時間などを考慮して、最適な方法を選択してください。
採用基準の設定方法について詳しく知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しています。
(参考:『採用基準とは?具体的な設定手順や自社にマッチした人材の見極め方|テンプレ付』)
STEP6.採用計画の立案・適正性の確認
採用数を割り出したら、それと並行して新卒採用や中途採用などを含めた採用計画を立案します。「いつまでに」「何人」「どのような人材に」入社してもらう必要があるのかを考えながら、採用計画を立てましょう。
採用計画を立案する際には、採用市場の動向や採用スケジュールなどを踏まえた上で、「計画に無理がないか」また「採用が適正であるか」を確認することも重要です。
採用計画の立て方については、以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてみてください。
(参考:『【無料テンプレ付】採用計画とは?計画の立て方や作成手順・ポイントを解説』)
STEP7.決裁者の承認を得て要員計画を決定
作成した要員計画案について、各部署の責任者や経営者といった決裁者の承認を得て、正式に決定しましょう。
要員計画を実行する際は、進捗(しんちょく)状況や計画の見直しを定期的に行い、分析と改善を繰り返すことが重要です。
要員計画フォーマット・Excelテンプレートを無料ダウンロード
要員計画をスムーズに策定するには、フォーマットに沿って進めることがお勧めです。無料で使えるテンプレートは、以下からダウンロードできます。
要員計画フォーマットでできること
要員計画フォーマットを使用すると、年度末在籍人数や年度当初在籍人数、年度減員分、年度増員分といった項目を整理した上で、必要な人員数を効率的に把握できます。
フォーマットの各項目に要員数を入力することで、年度末在籍人数の見込みと年度当初在籍人数との差異を確認できるため、部署ごとの人員の過不足を可視化しやすくなります。
また、ボトムアップ方式による要員要望数や、トップダウン方式による要員要望数、調整済みの要員要望数、配員決定数なども整理可能です。フォーマットを活用して、現場のニーズと経営計画の両面から要員計画を作成しましょう。
要員計画表に入れておきたい項目
要員計画の作成にあたっては、以下は入れておきたい項目です。
●年度末在籍人数
●年度当初在籍人数
●年度減員分
●年度増員分
●現状の人員数
●部署名
●必要人数
●採用予定人数
これらの項目で現状を把握することで、より適切な要員計画の策定につながります。
要員計画を立てるときの注意点

要員計画を立てる際には、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。
ここでは、特に意識しておきたい3つのポイントについて見ていきましょう。
【要員計画を立てるときの注意点】
1.実現可能な要員計画を立てる
2.退職や休職の影響も考える
3.自社でどこまで対応できるかを検討する
実現可能な要員計画を立てる
要員計画は採用や配置、人件費に大きく影響するため、策定後に大きく変更しづらい面があります。そのため、採用市場の状況や自社が許容できる予算を基に、実現可能な目標を立てることが大切です。
また、新たな人材採用を行う場合には、必要な人材の採用難易度もきちんと把握しておく必要があります。習熟度や専門性の高い人材を求める場合は、採用するまでの期間が長くなったり、費用が膨らんだりするケースもあるため、ゆとりを持たせた予算設定が必要です。
退職や休職の影響も考える
従業員の退職や休職は要員計画に影響を与えるので、今後必要となる人員数に余裕を持たせておくことも大切です。特に企業への貢献度が高い人材や替えの利かないポジションに就く従業員の休職や退職は、要員計画を運用する上で大きなリスクとなります。
影響の大きさを考えると、要員計画にゆとりを持たせるとともに、必要な人材が離れないよう、環境改善に取り組むことは重要です。社内環境を向上させ、退職率を改善できれば、自然と要員計画にも柔軟性が生まれていきます。
離職率の計算方法について詳しく知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しています。
(参考:『離職率とは?離職率の平均や計算方法、改善策と事例を解説』)
自社でどこまで対応できるかを検討する
要員計画はあくまでも事業の遂行が目的であるため、必要があれば外部のリソースを活用するといった判断も重要となります。
特に、「一時的に人員が必要な分野」「年に数回しかない業務」「社内に専門家がいない分野」については、外部リソースを活用するほうが効率的なケースが考えられます。
自社のリソースが不足している場合は、社内の人員のみで事業を遂行することにこだわらず、柔軟な発想を取り入れるようにしましょう。
効果的な要員計画を立てるポイント
要員計画を策定する際は、以下のポイントに注意して進めましょう。
●複数パターンで人員数と人件費をシミュレーションする
●フォーマットを活用して計画の抜け漏れを防ぐ
●定期的に見直して計画と実態のずれを修正する
複数パターンで人員数と人件費をシミュレーションする
要員計画では、採用人数や配置人数を1パターンだけで決めるのではなく、複数のパターンで比較することが重要です。人員を増やせば業務負荷の軽減や組織体制の強化につながりますが、人件費や採用・教育コストも増加します。
一方、現状維持ではコストを抑えられますが、既存従業員への負担が大きくなる可能性があります。
また、外部委託を活用する場合は、必要な業務だけを柔軟に依頼できる一方で、委託費や品質管理の負担も考慮する必要があります。
そのため、要員計画の精度を高めるには、複数のパターンから人員数と人件費をシミュレーションすることがポイントです。
中でも人件費は、その時々で人員数や人員構成によって変動するため、条件を変えてシミュレーションを実施することで、将来の人員数や人件費の予測が立てられます。
人員数と人件費の具体的なシミュレーション方法を、以下にまとめました。
【人員数と人件費のシミュレーションの手順】
●人員数と人員構成を予測する
●等級ごとの人件費単価を設定した上で、基本給を予測する
●基本給以外の費用を予測する
●人件費の総額を予測する
なお、人員数と人件費をシミュレーションするだけでは、予測した数値が適正かどうかは判断できません。企業視点、あるいは部門視点から、シミュレーションで出た数値が自社にとって適正かどうかを分析しましょう。
フォーマットを活用して計画の抜け漏れを防ぐ
要員計画を立てる場合は、抜け漏れを防ぐためにフォーマットを活用してみてください。
フォーマットを活用すれば、事業計画に基づいた最適な人員配置や採用計画を立てやすくなります。要員計画に抜け漏れがあると、必要な人材を採用できなかったり、特定の部署に負荷が偏ったりする可能性があります。
また、採用人数や配置人数の根拠があいまいになり、計画の見直しにも時間がかかるでしょう。こうしたリスクを防ぐためには、必要項目を整理できるフォーマットを活用し、現状の人員数、必要人数、採用時期、配置先などを漏れなく確認することが重要です。
要員計画を作成する際のフォーマットは、以下から無料でダウンロードできます。
定期的に見直して計画と実態のずれを修正する
要員計画は一度作成して終わりではなく、定期的に見直すことが重要です。事業計画の変更や売上の増減、従業員の退職や休職、また採用活動の進捗によって、当初想定していた要員数と実際の人員状況にずれが生じることがあります。
そのまま放置すると、人員不足による業務負荷の増加や、過剰配置による人件費の圧迫につながりかねません。月次や四半期といったタイミングごとに要員計画を見直して、必要に応じて採用人数や配置計画を修正しましょう。
要員計画に関するよくある質問
最後に、要員計画に関するよくある疑問にお答えします。
Q1:要員計画とは簡単にいうと何ですか?
要員計画とは、事業目標や業務量に合わせて、「いつ・どの部署に・どのような人材」が必要かを整理する計画のことです。必要な採用人数や配置人数を明確にして、人材不足や過剰配置を防ぐために作成します。
Q2:要員計画の表に必要な項目は何ですか?
要員計画の表には、「年度末在籍人数」「年度当初在籍人数」「年度減員分」「年度増員分」などを記載します。これらを整理することで、人員の過不足や今後必要となる採用数を把握しやすくなります。
Q3:要員計画作成にすぐ使えるフォーマットはありますか?
doda人事ジャーナルの要員計画計算フォーマットがお勧めです。
以下から無料でダウンロードできます。
まとめ
要員計画は、企業が人材採用や人材育成、人員配置を行う際に土台となるものです。
計画の立て方には、経営計画に基づいて予算に見合った人員を検討する「トップダウン方式」と、現場のニーズを基に必要な人員を積み上げていく「ボトムアップ方式」の2種類があります。両者の特徴を踏まえた上で併用し、自社に合った要員計画を策定してみましょう。
要員計画は、人事部門だけでなく、各部署とのすり合わせや社内展開にも活用できます。現場ヒアリングや社内説明の材料として整理したい方は、以下の要員計画計算フォーマットを資料ダウンロードしてご活用ください。
要員計画を実行する際には、必要な採用人数や採用時期を具体化した採用計画の策定も重要です。採用計画の立て方について詳しく知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しています。
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(制作協力/株式会社eclore、編集/doda人事ジャーナル編集部)
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